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「技術進歩によるこれからの絵画」

古えからの現実を忠実に描く写実絵画は、画家の持つ正確な描写力や洞察力に魅了されました。しかし、19世紀のカメラ撮影の技術の登場により、本物に近い写実絵画が「写真のような絵画」などと評され、写真と同一のように見なされる程に評価が低くなってきたと言われます。そのため、写実絵画は写真が真似できない芸術的な描写や個性を求める方向へと変化してきました。または画家が垢や汗をかかない、楽で単純な感情表現のような抽象絵画が増えてきました。
またプリント技術の向上によって、色々な絵画がキャンバスにプリントされて、一般大衆にも名画が身近な絵画となっています。本物の絵画を飾るよりも人気絵画の精巧なプリントが手軽で安価な絵画となりつつあります。油絵のような立体的な重ね塗り(インパスト)の印刷技術も可能です。キャンバスの生地に立体感を出すために、紫外線でインクを何層も固めながら、凹凸を表現するUVインクジェット手法、厚いクリアなインクで厚塗りした凹凸の上に印刷するシルク印刷手法、直接厚塗りするダイレクト印刷、補助的なレーザー印刷などで、油絵のように立体的なプリント絵画が益々広まるでしょう。
今後進歩する技術としては、デジタル技術を駆使したAI(人工知能)があります。You TubeなどのSNSのAI動画では、例えば人間や動物の非現実的な動作が面白く人気です。AI絵画においても、北斎の浪裏やゴッホのひまわり以上に奇抜で印象的な絵画も今後生まれてくるでしょう。AI絵画は、画家の文章による指示であらゆるデータを駆使してAIが自動で制作する絵画です。AIによるプリント絵画がコンテストで受賞や優勝となった例もあります。「AI絵画は芸術ではあるがAI絵画は人間絵画とは区別すべきだ」という意見が現在のところ多数の意見です。
現在は、AIの利用は日常生活に深く関わっており、お出かけの際に自分に合う服装を複数の写真からきちんと理由を述べて選んでくれるAIもあります。テニスやバレーボール、野球などでは、AIによる審判が行われています。水彩や油絵においてもAIで作ったものかどうかAIによる審判、また絵画コンテストにおいては審査があいまいなため、美術の膨大なデータによるAIの分析で、公平で納得いく理由を述べてくれるAI審査も現れるでしょう。
世界中の何千年間の芸術品のデータと精巧な描写力を持つAIと比較して、短い生涯の人間画家の能力や発想力、構図や写実的描写の技術面も、はっきり言って将来はAIに勝てないと考えます。将来、人間の画家が描く絵画は、真贋の判定や芸術性のマンネリ化、ブランドで売れる市場、抽象表現の曖昧性などで価値が薄れるのではないでしょうか。デジタル化や印刷技術の進歩と、絶えず学習する優秀なAIが制作する絵画は、安価で優れていて飾ってみたいと思うような絵画です。AI絵画を下地に、油絵や立体絵画に仕上げて楽しむ趣味が増えると考えます。描きたい風景画や人物画、静物画などの構図を有能なAIに任せて、そのキャンバスのAI絵画の下地の上に、油絵の具を塗ったり、粘土の立体画にして自宅に飾る趣味も出てくるでしょう。特に樹脂粘土の立体絵画は、重ね塗りのプリント技術がコピーできない絵画として人気が高まると思います。
日本人画家としてできることは、写真に真似できない芸術性と個性を持つ写実絵画の様に、AI絵画に人間らしい芸術の美を加えられるかです。例えば、その絵画のテーマ(伝えたいこと)に沿ったわびさびの趣きを表現することで、人間力が発揮される絵画になると考えます。具体的な例については本サイトが字数制限なので別に記述します。

以上、有難うございました。


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